○三木市火災調査規程

令和6年3月31日

消訓令第1号

目次

第1章 総則

第1節 通則(第1条―第3条)

第2節 火災の基準(第4条―第7条)

第3節 調査の体制(第8条―第15条)

第4節 調査上の心構え(第16条―第20条)

第2章 原因調査

第1節 通則(第21条・第22条)

第2節 火災時の調査(第23条―第25条)

第3節 現場保存(第26条―第29条)

第4節 鎮火後の調査(第30条―第33条)

第5節 質問(第34条―第40条)

第6節 児童に対する取扱いの特例(第41条―第48条)

第7節 原因の判定(第49条・第50条)

第3章 損害調査(第51条―第54条)

第4章 調査資料

第1節 照会及び資料提出(第55条―第57条)

第2節 資料の保全(第58条・第59条)

第3節 鑑定等(第60条・第61条)

第5章 調査書類の作成及び報告

第1節 通則(第62条―第64条)

第2節 火災調査報告(第65条)

第3節 報告(第66条―第70条)

第6章 り災の証明(第71条―第73条)

第7章 雑則(第74条―第82条)

附則

第1章 総則

第1節 通則

(趣旨)

第1条 この訓令は、消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)第7章に規定する火災の調査(以下「調査」という。)に関して必要な事項を定めるものとする。

(調査の目的)

第2条 調査は、すべての火災の原因及び損害並びに関係者の行動等を明らかにして、火災予防施策及び警防対策に必要な基礎資料等消防行政を推進するためのあらゆる情報を収集することを目的とする。

(調査の区分)

第3条 調査は、原因調査及び損害調査に区分する。

2 原因調査は、次の各号に掲げる事項について究明するために行うものとする。

(1) 出火原因 出火箇所、発火源、経過及び着火物

(2) 火災の性状 煙の流動状況、延焼経路及び延焼拡大の要因

(3) 火災初期の対応 発見状況、通報状況及び消火状況

(4) 避難状況 火災現場における避難者、要救助者の行動及び救出救助状況等

(5) 消防用設備等の使用状況

(6) その他消防行政上必要な事項

3 損害調査は、次の各号に掲げる事項を明らかにするために行うものとする。

(1) 焼き損害 火災によって焼けた物、熱によって破損した物等の損害

(2) 消火損害 消火活動によって受けた水損、破損、汚損等の損害

(3) 爆発損害 爆発現象の破壊作用により受けた焼き損害及び消火損害以外の損害

(4) その他損害 煙又は物品の搬出によって生じた物等の損害及び避難行動により受けた損害

(5) 人的損害 火災に起因して生じた死者及び負傷者

第2節 火災の基準

(火災の定義)

第4条 火災とは、人の意図に反して発生し若しくは拡大し、又は放火により発生して消火の必要のある燃焼現象であって、これを消火するために消火施設又はこれと同程度の効果のあるものの利用を必要とするもの、又は人の意図に反して発生し若しくは拡大した爆発現象をいう。

(件数の取扱い)

第5条 火災の件数は、原則として、1つの出火点から拡大したもので、出火に始まり鎮火するまでを1つとする。

(火災の種別)

第6条 火災の種別は、次の各号に区分するものとする。

(1) 建物火災 建物又はその収容物が焼損した火災

(2) 林野火災 森林、原野又は牧野が焼損した火災

(3) 車両火災 自動車車両、鉄道車両及び被けん引車又はこれらの積載物が焼損した火災

(4) 船舶火災 船舶又はその積載物が焼損した火災

(5) 航空機火災 航空機又はその積載物が焼損した火災

(6) その他の火災 前各号に該当しない火災

2 前項各号に掲げる火災が複合するときは、焼き損害額の大なるものの種別による。ただし、その態様により焼き損害額の大なるものの種別によることが社会通念上適当でないと認められるときは、この限りでない。

3 消防署長(以下「署長」という。)は、前項ただし書きを適用しようとするときは、消防長にその旨を協議しなければならない。

(統計外の火災)

第7条 前条第1項に定める火災種別のほか、火災発生後1週間(168時間)を経過して覚知したものを統計外火災として別に区分するものとする。

第3節 調査の体制

(調査の責任)

第8条 署長は、調査責任を有するものとする。

2 署長は、調査機材を整備し、及び調査能力の向上に努める等、調査体制の確立を図るとともに、常に調査の進捗状況を把握し、適切な事務執行により火災調査報告書の作成に努めるものとする。

(調査員の指名)

第9条 署長は、調査に従事する職員(以下「調査員」という。)を指名するものとする。

2 署長は、調査員のうちから調査主任を選任するものとする。

3 火災調査に関する事務は、原則として調査員が処理するものとする。

(調査主任の資格)

第10条 前条第2項の調査主任は、原則として消防係長若しくは消防司令補以上の階級にあるもの又は次のいずれかに該当する職員でなければならない。

(1) 火災調査に関する研修課程を終了した者

(2) 調査に関する実務経験が3年以上の者

(3) 前各号に掲げる者のほか署長が調査事務に必要な知識を有すると認めた者

(調査計画)

第11条 調査主任は、具体的な調査計画を立て、任務分担を明確に指示し、現場調査、質問、調査書類の作成等が速やかに行われるよう努めなくてはならない。

2 調査主任は、事前に収集された情報を分析整理して、当該火災の特徴及び問題点を把握し、消防行政上に必要な火災の調査が実施できるよう努めなければならない。

3 調査主任は、効果的な火災調査の実施ができるよう関係者及び各関係機関との連絡調整を行うものとする。

(調査本部)

第12条 消防長は、消防行政上特に必要があると認める火災については調査本部を設置するものとする。この場合においては、第8条第1項の規定にかかわらず消防長が調査責任を有する。

2 調査本部の組織、任務分担等は、その都度消防長が定めるものとする。

(応援の要請)

第13条 署長は、調査のために必要があると認める場合は、消防長に対し、予防課の職員(以下「本部調査員」という。)及び調査資器材等の応援、資料の貸与を要請することができる。

(調査員の派遣等)

第14条 消防長は、前条に基づく要請があった場合は、火災の実態その他の事情を考慮して、本部調査員及び調査資器材等の派遣を命じ調査に協力させるものとする。

(本部調査員の特命出動)

第15条 消防長は、前条の規定にかかわらず調査のため必要があると認める場合は、本部調査員を火災現場等に出動させ調査を支援させることができる。

第4節 調査上の心構え

(調査員の心得)

第16条 調査員は、署長の代理者としての自覚を深く認識し、常に火災の現象、関係法令、社会の動向その他調査に必要な知識を修得し、調査技術を研究し、調査能力の向上に努めなければならない。

(法令の遵守)

第17条 調査員は、法その他関係法令を遵守し、個人の自由及び権利を不当に侵害し、又は調査上知り得た秘密を他に漏らしてはならない。

(調査情報の管理)

第18条 消防長又は署長は、現場見分又は質問により得られた調査情報及び調査結果から作成された文書等の適切な管理に配慮するものとする。

(民事不介入)

第19条 調査員は、その職務を利用して関係者の民事的紛争に関与してはならない。

(関係機関との協力)

第20条 調査員は、警察署その他関係機関の職員と緊密な連絡を保ち、相互に協力して調査に当たらなければならない。

第2章 原因調査

第1節 通則

(調査の原則)

第21条 調査は、常に事実の確認を主眼として、先入観にとらわれることなく、科学的な方法と合理的な判断により事実の究明に努めなければならない。

(調査の時期)

第22条 調査は、火災の覚知と同時に着手し、火災時及び鎮火後にわたって行わなければならない。

第2節 火災時の調査

(火災状況の見分)

第23条 消防活動に従事する職員(以下「消防隊員」という。)は、火災現場に出動したときは、直ちに火災の状況を見分しなければならない。

(火災状況見分調査書)

第24条 前条の火災状況の見分は、必要に応じ、その状況を火災状況見分調査書に記載するものとする。

(質問調査)

第25条 消防隊員は、火災の早期発見者その他火災の関係者に質問調査を行い、必要な情報の収集に努めなければならない。

第3節 現場保存

(防ぎょ中の現場保存)

第26条 消防隊員は、出火場所付近の迅速な消火を心がけ、出火前の状態が推測できるよう現状の保存に努めなければならない。

(鎮火後の現場保存)

第27条 署長は、次の各号により鎮火後の現場を保存しなければならない。ただし、警察官その他の関係機関によって現場保存がなされている場合は、この限りでない。

(1) 現場保存区域は、警察官等と協議して決定すること。

(2) 現場保存区域は、必要最小限度の範囲にとどめること。

(3) 現場保存区域は、ロープ等によりその範囲を明確にすること。

(原状の変更)

第28条 調査員は、現場見分を行う前にやむを得ず現場の原状を変更するときは、写真、見取図、記録その他の方法により原状を明らかにするよう処置しなければならない。

(死者の取扱い)

第29条 消防隊員は、現場において死者を発見したときは、速やかに現場最高指揮者に報告しなければならない。

2 前項の報告を受けた現場最高指揮者は、警察官等に通報するとともに、必要な措置を講じなければならない。

第4節 鎮火後の調査

(現場見分の原則)

第30条 調査員は、火災現場その他関係のある場所に立ち入り詳細に見分し、証拠資料の発見収集に努めなければならない。

2 調査主任は、現場調査を行う場合は、あらかじめ開始日時等を関係者等に通知するものとする。

3 調査員は、現場調査時に周囲の状況に注意し、個人情報や個人の申述等の漏えいに十分配慮しなければならない。

4 調査員は、現場調査を行うに当たっては、建物構造、建築設備並びに火気使用設備及び機器等の構造、機能及び材質等に着目するとともに、製造、施工及び保守管理の状況についても調査するものとする。

(見分調査書)

第31条 調査員は、現場見分を行い実況見分調査書を作成しなければならない。ただし、第49条第1項第2号又は第3号に定める火災については、実況見分調査書に代えて現場見分調査書を作成するものとする。

2 調査員は、必要に応じ焼損物件の鑑識を実施し、鑑識見分調査書を作成しなければならない。

(立会人)

第32条 現場見分は、努めて関係者の立会いのもとに、これを行わなければならない。

2 前項により、現場の立会いを求めた場合は、安全管理及び言動等に配慮しなければならない。

(図面及び写真)

第33条 調査員は、現場見分内容を明確にするため図面及び写真により記録しなければならない。

2 図面は、現場図面用紙を用いるものとする。

3 写真は、実況見分調査書については、現場写真用紙に貼付するものとする。

4 第49条第1項第2号又は第3号を適用して作成した現場見分調査書及び火災状況見分調査書に写真を貼付することでこれに代えることができる。

第5節 質問

(質問)

第34条 調査員は、火災の原因究明及び被害状況の把握のため必要があるときは、火元責任者、火気取扱者その他関係者に対し質問を行い、事実の確認に努めなければならない。

(任意申述の確保)

第35条 調査員は、質問を行うときは強制的手段を避け、場所、時間等を考慮し被質問者の任意の申述を得るよう努め、その申述を誘導してはならない。

(伝聞の排除)

第36条 調査員は、伝聞による申述を排除し、事実の申述を得るよう努めなければならない。

(質問調査書)

第37条 調査員は、質問調査書に被質問者の申述を正確に録取しなければならない。

2 火災早期発見者、消火協力者等出火に直接関係のない者及び後日生じたやむを得ない事情等により質問の録取ができなかった場合は、調査員は、電子メール、電話等で録取する方法により、質問調査書を作成することができる。

(調査内容の確認)

第38条 調査員は、被質問者の申述を録取したときは、その内容を被質問者に閲覧又は読み聞かせ、誤りのないことを確認させるものとする。

(通訳人の介助)

第39条 調査員は、通訳人の介助を得て質問したときは、通訳人を介してその内容を閲覧又は読み聞かせ、誤りのないことを確認させるものとする。

(被疑者の質問及び押収物件の調査)

第40条 署長は、警察署に留置されている放火又は失火の被疑者に対し質問をし、又は押収された証拠物件を調査するときは質問・証拠物件調査要請書により警察署長に要請するものとする。

2 被疑者に対する質問は、第35条及び第36条の規定を準用する。

3 直接被疑者に対して質問することができない場合は、事件を担当する警察官を介して被疑者の供述内容を照会するものとする。この場合においては、警察官から聞き込んだ被疑者の供述内容を供述内容調査書に記載するものとする。

第6節 児童に対する取扱いの特例

(準拠)

第41条 児童に関する調査は、この節の規定によるものとする。

2 前項の児童とは、児童福祉法(昭和22年法律第164号)第4条に規定する満18歳に満たない者をいう。

(調査員の心得)

第42条 調査員は、児童に関する調査に当たっては、児童の特性をよく理解し、言語に注意しその心情を傷つけないように努めなければならない。

(関係機関との連絡)

第43条 調査員は、児童に関する調査を行うに当たって必要があるときは、警察署、児童相談所、学校その他関係機関との連絡を密にして行わなければならない。

(保護者の立会い)

第44条 調査員は、児童に質問し、又は児童を現場見分時の立会人とする場合は、保護者、教師、保護司等の立会いの下において行わなければならない。

(児童の質問調査)

第45条 児童の質問調査書には、立会いする保護者、教師、保護司等にその内容を閲覧又は読み聞かせ、誤りのないことを確認させるものとする。

(特例)

第46条 第41条の規定にかかわらず、児童の年齢、職業、家庭環境その他の事情を考慮して支障がないと認められる場合又は真実が得られないと判断される場合は、一般の例によりこれを行うことができる。

(氏名等の公表禁止)

第47条 児童の失火又は放火による火災について、市民、報道機関等に発表する場合は、氏名、年齢、住所等本人を推知できるような情報を漏らしてはならない。

(準用)

第48条 精神上の障害により事理を弁識する能力を欠く者及びろうあ者等に関する調査は、この節の規定を準用する。

第7節 原因の判定

(火災原因判定書)

第49条 調査員は、第3条第2項に掲げる事項を判定し、次の各号により火災原因判定書を作成しなければならない。

(1) 次のいずれかに該当する火災にあっては、火災原因判定書1を用いるものとする。

 焼損面積が100m2以上の建物火災

 特異な出火原因により発生した火災

 死傷者が多数発生した火災(死者3名以上又は負傷者10名以上)

 損害額が甚大な火災(損害額1億円以上)

 消火活動が極めて困難であった火災

 大規模林野火災(焼損面積10ha以上)

 その他、特定防火対象物、犯罪等が関連し、消防長が指示した火災

(2) 前号に掲げるもの以外の火災にあっては、火災原因判定書2を用いることができる。

(3) 林野、その他原因が明らかで損害がない火災にあっては、火災原因判定書は必要としない。

2 火災原因判定書の作成に当たっては、次のことに留意しなければならない。

(1) 火災状況見分調査書、実況見分調査書、質問調査書その他関係資料を総合的に検討し、科学的に考察し、判定すること。

(2) 総合的結論と原因判定の経過を統計的かつ明確に記載し、それぞれの事実を立証する資料を明示すること。

(3) 火災原因の記載にとどまらず、火災の拡大状況や消防隊の活動等消防行政上必要な事実についても記載すること。

(死傷者調査書)

第50条 火災時の人の行動並びに死傷者の発生状況等の出火原因以外の人的・物的調査事項は、前条第1項に規定する火災原因判定書に加えて、死傷者調査書に記載するものとする。

2 死傷者調査書は、火災の種別に関係なく死傷者が発生した火災において作成する。記載内容は現場における見分及び関係者の申述、を参考にするものとし、必要に応じ図面、写真等を添付するものとする。

第3章 損害調査

(り災物件の調査書)

第51条 署長は、調査員に現場その他関係のある場所に立ち入って関係者に質問させ、り災物件を詳細に調査させて正確な損害の把握に努めなければならない。

(損害額の決定及び損害調査書)

第52条 署長は、調査により把握したり災物件及び火災損害届を総合的に検討し、損害額を決定しなければならない。

2 署長は、前項により損害額を決定したときは、損害調査書を作成しなければならない。

3 り災物件の損害額は、り災した時点における時価又は原価により算出する。

4 損害の査定は、原則として損害査定書を用いるものとする。

(火災損害届)

第53条 署長は、調査上必要があるときは、り災者その他関係者に次の各号により火災損害届の提出を求めるものとする。

(1) 火災損害届(不動産、動産用)

(2) 火災損害届(動産用)

(3) 火災損害届(車両、船舶、航空機、林野、その他)

2 前項の火災損害届には、り災物件明細書を添付するものとする。

3 第1項の火災損害届の提出があったときは、届出内容を審査し、受理するものとする。

(死傷者の調査)

第54条 署長は、火災に起因して死傷者が発生したときは、その状況を調査し、死傷者の発生した理由及びその要因、問題点、教訓等を抽出し、消防行政に反映させなければならない。

第4章 調査資料

第1節 照会及び資料提出

(官公署への照会)

第55条 署長は、法第32第2項の規定に基づき官公署に対して通報を求める場合は、火災調査事項照会書によるものとする。

(資料の提出)

第56条 署長は、調査のため必要と認めるときは、関係者に対し、任意で資料の提出を求めるものとする。

2 署長は、前項の規定により任意の提出を求めた場合において、任意の提出が困難であると認められるときは、法第32条第1項の規定により火災の原因である疑いがあると認められる製品を製造し若しくは輸入した者、又は法第34条第1項の規定による関係者に対し、資料提出命令書により必要な資料の提出を命じ、又は報告徴収命令書による報告の徴収を命ずるものとする。ただし、命令権を行使するにあたっては、必ず事前に消防長の決裁を受けるものとする。

3 前項の規定による命令についての履行期限は、必要な資料の内容によって妥当であると認められる期限とするものとする。

(所有権の確認)

第57条 署長は、前条により資料提出を求め、又は命じた場合は、調査資料提出書によって所有権放棄の有無を確認しておかなければならない。ただし、特に必要がないと認められる場合は、調査資料提出書によらないことができる。

2 署長は、前項の規定により調査資料提出書によって資料の提出を受けた場合は、調査資料受領書を関係者等に交付するものとする。

3 署長は、調査終了後に資料の返却を行う場合は、返却する資料を受領する者から返却資料受領書を徴収するものとする。

第2節 資料の保全

(資料の保全)

第58条 署長は、資料の保全に当たっては、資料の証拠価値を毀損しないよう細心の注意を払い慎重に保全しなければならない。

(保管品の管理)

第59条 署長は、資料を保管する場合は、資料保管台帳に記載し、調査が終了するまで保存しなければならない。

第3節 鑑定等

(鑑識・鑑定及び実験依頼)

第60条 署長は、焼損物件の鑑識・鑑定及び実験(以下「鑑識等」という。)を必要とする場合は、部外の学識経験者又は関係官公署に対し鑑識等を依頼することができる。

(鑑識・鑑定等依頼書)

第61条 前条の鑑定等を依頼するときは、鑑識・鑑定等依頼書により行うものとする。

第5章 調査書類の作成及び報告

第1節 通則

(書類作成上の原則)

第62条 調査書類(以下この章において「書類」という。)の作成に当たっては、分かりやすく、やさしい文章で事実をありのままに表現するように努めなければならない。

2 OA機器等を用いて書類を作成する場合は、各様式の記載枠内の羅線を省略することができるものとする。

(署名等)

第63条 書類には、原則として作成年月日、作成者の所属、階級、氏名等を記載する。ただし、関係者から提出された書類については、この限りでない。

(事後聞知)

第64条 事後において、消防機関が知り得た火災については、事実確認をするとともに調査書類を作成しなければならない。

第2節 火災調査報告

(火災調査報告書)

第65条 署長は、火災調査を完了したときは、火災調査報告書(以下「報告書」という。)を作成し、消防長に報告しなければならない。

2 前項の報告書には、次の書類を添付するものとする。

(1) 調査目録

(2) 火災調査結果報告書

(3) 火災原因判定書1又は火災原因判定書2

(4) 実況見分調査書(火災原因判定書1の場合)又は現場見分調査書(火災原因判定書2及び第49条1項第3号の場合)

(5) 現場図面

(6) 現場写真

(7) 火災状況見分調査書

(8) 質問調査書

(9) その他原因調査上必要な書類

(10) 死傷者調査書

(11) 損害調査書

(12) 損害査定書

(13) 火災損害届

(14) その他損害調査上の参考資料

3 署長は、前項の書類のうち火災の種別規模により火災原因判定書を省略することができる。

第3節 報告

(死傷者の調査即報)

第66条 消防長は、特に必要と認めるときは、署長に第50条に規定する死傷者調査書に掲げる事項の報告を命ずることができる。

2 署長は、前項の命令を受けたときは、速やかに調査結果を報告しなければならない。

(火災報告)

第67条 署長は、現場調査の終了後、速やかに調査結果の集約を行い、火災を覚知した翌月の15日までに災害事案管理システムに入力しなければならない。

2 前項に規定する期日後に内容の変更の必要が生じた場合は、あらかじめ警防課消防係に連絡した後に再入力するものとする。

(死傷者の報告)

第68条 署長は、第54条の規定により火災による死傷者の調査を実施したときは、その結果を前条第1項の規定に準じて消防長に報告しなければならない。

(報告書の報告期限)

第69条 第65条の報告は、原則として、火災の覚知から起算して第49条第1項第1号の火災であるときは180日以内、同項第2号の火災であるときは90日以内、同項第3号の火災であるときは60日以内に報告しなければならない。

2 署長は、前項に規定する期限内に報告することができない場合は、あらかじめ消防長にその理由を文書又は口頭で報告しなければならない。

(報告内容の変更)

第70条 署長は、第65条及び第67条並びに第68条に基づき報告した書類の内容について変更する必要が生じた場合は、火災調査変更報告書により消防長に速やかに報告しなければならない。ただし、軽微な事項については口頭で報告することができる。

第6章 り災の証明

(り災の証明)

第71条 署長は、管轄区域内における火災のり災者からり災証明交付申請書(以下「申請書」という。)により願出があったときは、火災損害届及び火災原簿と照合し、支障がないと認めたときは、り災の証明を行うことができる。

2 前項の証明は、証明する物件に応じ次に掲げるとおり区分する。

(1) り災証明 焼損又は水損によるり災程度が確認し得たものについて、り災証明書により行うもの

(2) り災届出証明 客観的に火災でり災した事実が推測され、かつ、り災者が届出ている場合に、り災届出証明書により行うもの

(3) 災害事故証明 客観的に火災でり災した事実が推測されるが、燃焼現象の継続がなく火災外(三木市警防活動規程第18条により偵察出動として処理したもの)として処理したもので、かつ、り災者が届出ている場合に災害事故証明書により行うもの

3 第1項のり災証明は、原則として現場見分が終了するまで行ってはならない。

(り災の証明処理簿)

第72条 署長は、前条のり災の証明を行うときは、り災の証明処理簿に必要事項を記入し、交付の状況を明確にしなければならない。

(り災の証明処理)

第73条 第70条の願出があったときは、り災証明書又はり災届出証明書及び災害事故証明書を発行する。

2 前項の証明書は、正副作成し、申請書に正本を添付して決裁を受けた後、副本を申請者に交付するものとする。

第7章 雑則

(火災原因に関する回答)

第74条 署長は、管轄区域内で発生した火災において、火災原因その他の調査事項について、捜査機関その他関係機関及び関係者から照会があったときは、その内容、目的その他必要な理由について審査し、必要事項について回答することができる。

2 前項の回答を行う場合にあっては、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)その他関係法令等によるほか、別に定めるところにより対応するものとする。

(広報)

第75条 調査に関する市民、報道機関等への発表は、広報効果が上がるよう積極的に行うものとする。ただし、発表は消防長又は署長があらかじめ指定する者が行うものとする。

(火災原簿)

第76条 署長は、調査結果に基づき火災原簿を作成しなければならない。

2 前項の火災原簿の保存年限は、永年とする。

(報告書の保存)

第77条 この訓令により作成した報告書は消防本部に保存するものとする。

2 前項の報告書の保存年限は、永年とする。

(調査研修会)

第78条 消防長又は署長は、調査上必要がある場合は、調査研修会を開くものとする。

(調査研修)

第79条 消防長又は署長は、調査員の調査知識及び調査技術等調査能力の向上のため、随時、調査に関する研修を実施するものとする。

(火災調査結果の活用)

第80条 消防長又は署長は、火災の調査結果から教訓及び問題点を抽出し、抽出された教訓を活かし、問題点に対する対応を速やかに講じるなど消防行政に反映させなければならない。

2 本部調査員は、火災調査報告書の内容を確認するとともに調査結果を分析、整理し、消防行政施策全般に活用できる資料を作成しなければならない。

(施行細目)

第81条 この訓令に定めるもののほか、この訓令に基づく書類の様式その他必要な事項は、消防長が別に定める。

(その他災害)

第82条 この訓令は、その他災害について準用する。

(施行期日)

1 この訓令は、令和6年1月1日から施行する。

(旧規程の廃止)

2 三木市火災調査規程(平成6年消訓令第1号)は、廃止する。

三木市火災調査規程

令和6年3月31日 消防訓令第1号

(令和6年1月1日施行)

体系情報
第13編 防/第1章 消防本部・消防署
沿革情報
令和6年3月31日 消防訓令第1号