○三木市産後ケア事業実施要綱
令和7年3月31日
(目的)
第1条 この要綱は、市が実施する産後ケア事業(以下「本事業」という。)について必要な事項を定め、母親の身体的回復と心理的な安定を促進するとともに、母親自身がセルフケア能力を育み、母子の愛着形成を促し、母子とその家族が健やかな育児ができるよう支援することを目的とする。
(実施主体)
第2条 本事業の実施主体は、三木市とし、前条の目的を達成するために本事業の趣旨を理解し、適切な実施及び適切な事業運営が確保できると認められる事業者に委託して実施するものとする。
(委託事業者の要件)
第3条 前条の規定により本事業の委託を受けることができる事業者(以下「事業者」という。)は、次に掲げる要件のすべてを満たすものとする。
(1) 県内に所在する病院、診療所及び助産所(助産師出張業務届出者を含む。以下同じ。)であること。
(2) 産後ケアに関する知識及び技術を有していること。
(3) 助産師、保健師又は看護師(以下「助産師等」という。)のうち、いずれかの者を常に1名以上配置し、主に母親への身体的ケア、適切な授乳が実施できるためのケア、心理的ケア、育児の手技についての具体的な指導及び相談等を行う実施体制が確保できること。ただし、出産後4か月頃までの時期においては、助産師を中心とした体制を構築することとし、宿泊型は、1名以上の助産師等の看護職を24時間体制で配置することとする。
(4) 第5条に規定する事業内容を安全及び快適に提供できること。
(5) 市と適切な連携・調整を行うことができること。
(対象者)
第4条 本事業の利用対象者(以下「利用対象者」という。)は、市内に住所を有する出産後1年を経過しない母親及び乳児並びに流産又は死産した日から1年を経過しない者であって、次の各号のいずれかに該当する者とする。
(1) 産後ケアを必要とする者
(2) その他市長が必要と認める者
(1) 母子のいずれかが感染性疾患(麻疹、風疹、インフルエンザ等をいう。)に罹患している者
(2) 母親に入院加療の必要がある者
(3) 心身の不調や疾患があり、医療的介入の必要がある母親。ただし、医師により本事業において対応が可能であると判断され、及び市長が認める場合は、この限りでない。
(4) その他本事業の利用が適当でないと市長が認める者
(事業内容)
第5条 本事業は、利用対象者に対し、次に掲げるサービス(以下「サービス」という。)を実施するものとする。
(1) 宿泊型 利用対象者を宿泊させ、産後ケアを実施するとともに、母親の食事の提供、入浴機会の提供等を実施するサービス
(2) 通所型 利用対象者を日帰りで施設利用させ、産後ケアを実施するとともに、必要に応じて母親の食事の提供を実施するサービス
(3) 訪問型 利用対象者の家庭を訪問し、産後ケアを実施するサービス
2 この要綱による産後ケアは、次に掲げるものとする。
(1) 健康状態の観察、身体的ケア、栄養相談等の母親への保健指導及び栄養指導
(2) EPDS(エジンバラ産後うつ病質問票)を活用した相談支援等の母親の心理的ケア
(3) 乳房ケア又は授乳支援等の適切な授乳ができるためのケア
(4) 発育発達等のチェック、離乳食相談、育児相談、乳児の抱き方、おむつ交換、沐浴、寝かしつけ等の指導及び相談等の育児の手技についての具体的な指導及び相談
(1) 宿泊型 7日
(2) 通所型 42時間
(3) 訪問型 6時間
2 前項の規定にかかわらず、市長は、サービスを利用する者の状況により引き続き利用が必要であると認められる場合は、サービスを利用できる日数及び時間を延長することができる。
3 サービスを実施する日及び時間は、事業者が別に定めるものとする。
2 申請者は、前項の規定による申請をするときは、住民税の課税状況が分かる書類を添付しなければならない。ただし、市長が、当該書類により証明すべき事実を公簿等により確認することができるときは、当該書類の添付を省略することができる。
3 利用者は、産後ケアを利用する事業所の予約を市に依頼しない場合は、利用券を受領した後、自ら事業者に予約を行うものとする。この場合において、利用者から予約を受けた事業者は、市に予約があった旨の報告を行い、必要に応じて情報提供を依頼するものとする。この場合において、利用者から予約を受けた事業者は、市に予約があった旨の報告を行い、必要に応じてサービスの実施に必要な情報の提供を依頼するものとする。
4 市長は、前項後段の規定により情報提供の依頼を受けたときは、利用依頼書に申請書の写し及び利用券の写しを添えて、速やかに事業者に提供するものとする。
(利用承認内容の変更)
第9条 利用者は、サービスを希望する日時に変更が生じた場合は、速やかに、事業者に連絡しなければならない。
3 利用者は、氏名、住所等の変更があったときは、速やかに市に連絡するものとする。
(利用券の利用方法等)
第10条 利用者は、サービスを受けようとするときは、事業者に対し、利用券を提示するものとする。
2 事業者は、利用者から利用券の提示を受け、サービスを提供したときは、利用券の産後ケア事業利用記録表に利用日時、累計日数又は時間数及び事業者名を記載するものとする。
3 利用者は、利用券を紛失し、又はき損した場合は、市長に対し、利用券の再交付の申請をすることができる。この場合において、市長は、利用券を再発行したときは、当該利用券に再発行をした旨の記載を行うものとする。
(自己負担額)
第11条 利用者は、サービスの利用において、別表に定める自己負担額を負担しなければならない。
2 自己負担額は、サービスを利用する当日に当該事業者に対し、利用者が直接支払うものとする。
3 利用に際し生じる食費、個室料、光熱水費並びに寝具及び消毒にかかる費用、訪問型の場合は交通費以外の必要経費については、事業者が別途実費徴収することができる。
(委託料)
第12条 本事業の実施において市が事業者に支払う委託料の額は、別表に定めるとおりとする。
(委託料の支払)
第14条 市長は、前条の規定により事業者から委託料の請求を受けた場合は、その請求内容を審査し、適当と認めたときは、当該事業者に対し、委託料を支払うものとする。
(研修の実施)
第15条 事業者は、産後ケア事業に従事する職員に対し、必要な研修を実施又は受講させ、産後ケアに係る資質向上に努めるものとする。
(帳票類の整備等)
第16条 事業者は、事業の適正な実施を確保するため、サービスに関する記録その他必要と認める帳票類を整備しなければならない。
2 市長は、事業者に対し、本事業に係る帳票類の提出、サービス内容の確認等について、必要な調査を実施することができる。
(帳票類の保管及び廃棄)
第17条 事業者は、前条第1項の帳票類を5年間保存しなければならない。この場合において、帳票類は、所定の保管場所に収納し、滅失、毀損、盗難等の防止に十分留意するものとする。
2 事業者は、保存年限を経過した帳票類を廃棄する場合は、裁断又は溶解処理により、確実に廃棄するものとする。
(事業内容の改善)
第18条 市長は、本事業の適正な実施を図り、良質なサービスが提供されるよう、必要に応じ、本事業の実施に係る事業者の業務内容を調査し、改善について必要な措置を講ずるものとする。
(情報漏えい等の防止)
第19条 事業者は、本事業を実施するに当たっては、個人情報の保護に関する法律(平成15年法律第57号)その他法令等を遵守し、及び産後ケア実施担当者に守秘義務を課す等の利用者の個人情報その他本事業に係る情報の漏えい防止に必要な対策を講じなければならない。
(安全管理体制)
第20条 事業者は、市が作成する安全管理マニュアルを踏まえ、日頃から緊急時における対応について準備・対策を実施するものとする。
2 事業者は、本事業の実施に関し必要な賠償責任保険に加入するものとする。
(事故及び損害の責任)
第21条 事業者は、本業務により生じた事故及び損害について、市に故意又は重過失のない限り、事業者の負担と責任において処理に当たるものとする。
3 市長は、前項の規定により報告があった事故のうち、死亡事故、治療に要する期間が30日以上の負傷又は疾病を伴う重篤な事故等の重大事案が発生したときは、直ちに県を通じて国へ報告しなければならない。
(償還払い)
第22条 市長は、利用対象者が本事業を委託した事業者以外の病院、診療所又は助産所においてサービスを利用したときは、当該利用対象者が支払ったサービスに係る費用について、その内容に応じ、別表に定める委託料の額(当該利用者が他に利用券を使用したサービスのあるときは、別表に定める委託料の額から当該サービスに係る委託料相当額を減じて得た額)を限度として同表に定める自己負担額との差額を助成金(以下「助成金」という。)として当該利用対象者に対し交付することができる。この場合において、償還払いを受けた者は、既に交付され、又は交付する利用券のあるときは、当該償還払いに係るサービスに相当する日数又は時間について、利用券を使用したものとみなす。
(1) サービスに係る領収書
(2) 利用券(利用券が交付されている場合に限る。)
(3) 母子健康手帳
(4) 前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認める書類
(助成金の返還等)
第24条 市長は、偽りその他不正な手段によって利用券を使用し、又は助成金の交付を受けた者に対し、助成金の全部又は一部を返還させるものとする。
(その他)
第25条 この要綱に定めるもののほか、本事業の実施に必要な事項は、市長が別に定める。
附則
(施行期日)
1 この要綱は、令和7年4月1日から施行する。
(三木市産後ケア費助成事業実施要綱の廃止)
2 三木市産後ケア費助成事業実施要綱(平成30年6月30日制定。以下「旧要綱」という。)は、廃止する。
(旧要綱の廃止に伴う経過措置)
3 この要綱の施行の日前に旧要綱の規定により償還払いの申請を行った者に係る取扱いについては、なお従前の例による。
別表(第11条、第12条、第22条関係)
サービスの別 | 契約単価 | 世帯種別 | 基本額及び加算額 | 自己負担額 | 委託料 |
宿泊型 | 1日当たり (1) 基本額 31,000円 (2) 多胎加算 7,000円 (3) 要支援加算 7,000円 | 課税世帯 | 基本額 | 3,100円 | 27,900円 |
多胎加算 | 700円 | 6,300円 | |||
要支援加算 | ― | 7,000円 | |||
非課税世帯等 | 基本額 | 0円 | 31,000円 | ||
多胎加算 | 0円 | 7,000円 | |||
要支援加算 | ― | 7,000円 | |||
通所型 | 1時間当たり (1) 基本額 3,400円 (2) 多胎加算 1,000円 (3) 要支援加算 500円 | 課税世帯 | 基本額 | 340円 | 3,060円 |
多胎加算 | 100円 | 900円 | |||
要支援加算 | ― | 500円 | |||
非課税世帯等 | 基本額 | 0円 | 3,400円 | ||
多胎加算 | 0円 | 1,000円 | |||
要支援加算 | ― | 500円 | |||
訪問型 | 1時間当たり (1) 基本額 5,000円 (2) 多胎加算 1,000円 (3) 要支援加算 1,000円 | 課税世帯 | 基本額 | 500円 | 4,500円 |
多胎加算 | 100円 | 900円 | |||
要支援加算 | ― | 1,000円 | |||
非課税世帯等 | 基本額 | 0円 | 5,000円 | ||
多胎加算 | 0円 | 1,000円 | |||
要支援加算 | ― | 1,000円 |
備考
1 この表において「非課税世帯等」とは、住民税非課税世帯及び生活保護法(昭和25年法律第144号)による被保護世帯をいう。
2 この表において「多胎加算」とは、乳児が多胎児である場合に、2人目以降の乳児1人につき加算する額をいう。
3 この表において「要支援加算」とは、市が支援の必要性が高い者(児童福祉法(昭和22年法律第164号)に定める要支援児童、特定妊婦等をいう。)であると判断した場合に母親1人につき加算される額をいう。




















