ページの先頭です。 メニューを飛ばして本文へ

気を付けましょう!~2型糖尿病~

印刷 文字を大きくして印刷 更新日:2024年3月1日更新
<外部リンク>

糖尿病について

 糖尿病は、1型糖尿病・2型糖尿病、その他の機序、疾患・条件に伴うものに分類されます。
糖尿病患者の95%は2型糖尿病と言われています。

 インスリンを分泌するβ細胞が破壊されインスリンが出なくなり慢性高血糖状態で発症する糖尿病を1型糖尿病といい、遺伝的な体質(インスリン分泌低下、インスリン効果の低下)に過食、運動不足、肥満が加わり発症する糖尿病を2型糖尿病といいます。2型糖尿病は、生活習慣の乱れが多くみられる中高年に多く、男性に多いと言われています。

 糖尿病は、インスリンの働きが弱く血液中のブドウ糖の値(血糖値)が高い状態が続くことです。
 ブドウ糖は身体のエネルギー源となります。しかし、血液中のブドウ糖の量が多すぎたり、うまくエネルギーとして使用できなかったりすると、余ったブドウ糖は血液中のたんぱく質と結びつき血管壁を傷つける原因となります。

 重大な合併症にもつながる糖尿病は、早期のうちから予防することが大切です。

糖尿病の血糖コントロール

食事療法

 標準体重より必要エネルギー量を求め、食材をバランスよく選ぶことが大切です。

 標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22
 必要エネルギー量(㎉)=標準体重(kg)×身体活動量(㎉/kg)
で求められます。

 〈例〉身長155cm、活動レベル2の人の場合
 標準体重:1.55×1.55×22=52.8kg
 必要エネルギー量:52.8×35=1,848㎉

身体活動量

レベル1

25~30㎉/kg

生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合

レベル2

30~35㎉/kg

座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事・軽いスポーツ等のいずれかを含む場合

レベル3

35㎉/kg以上

移動や立位の多い仕事への従事者。スポーツなど余暇における活発な運動習慣がある場合

運動療法

 疲れにくく継続しやすい有酸素運動をメインに運動を習慣づけることが大切です。
有酸素運動を行うことで、脂肪を効率よくエネルギーとして用い体脂肪を減少させることができます。

〈運動による効果〉

  • 基礎代謝の増加
  • 高血圧の改善
  • 有酸素運動、筋トレによるインスリン効果の上昇
  • 中性脂肪値の減少

 食後に血糖値が上昇するため、食後1時間後に運動を始めることで血糖値上昇をゆるやかにすることができます。

薬物療法

 食事・運動療法を行ってもうまく血糖コントロールが行えない場合に薬物療法を行います。
薬物の種類は、経口血糖降下薬や、注射としてインスリンなどを用います。

 

糖尿病の3大合併症について

 細胞内に吸収されず、血管内に余った糖分は血管を次第に傷つけ、細小血管障害や動脈硬化を進行させ、深刻な合併症を引き起こす恐れがあり注意が必要です。

糖尿病性神経障害

 細い血管の障害から血流が低下して神経細胞への血液の供給が途絶えてしまうため、神経障害が起こります。けがをしても気づかず、壊疽を起こすこともあります。

 ※壊疽…身体の末端の血行や神経に障害が生じ、小さな傷が治らず潰瘍が悪化し、皮膚や皮下組織が死滅し、黒色や暗褐色に変色した状態のこと。

糖尿病性網膜症・・(成人が失明する原因第2位)

 眼の細い血管に異常が生じ、眼底出血を起こすことで網膜剥離などに至り、悪化すると視力の低下や失明の恐れがあります。

糖尿病性腎症・・(糖尿病腎症は人工透析に至る原因第1位)

 腎臓の細い血管が傷つき、ろ過機能が低下して尿が作られなくなります。そのため老廃物や余分な塩分の排出ができず、最終的には「腎不全」となり、人工透析が必要になることがあります。

 

 その他にも、脳卒中、歯周病、狭心症・心筋梗塞、肺炎、皮膚炎、閉塞性動脈硬化症などの合併症を巻き起こす可能性があります。