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第53回 江戸時代に育まれた美術工芸品 みきの染形紙(広報みき2023年12月号掲載記事)

印刷 文字を大きくして印刷 更新日:2023年12月1日更新
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みきの染形紙

 着物などの生地を藍染めする際に、模様部分を白く染め抜くために使われる染形紙。
 繊細かつ多彩な柄を安価に染色できるため、江戸時代に広く普及し、当時は金物と並ぶ三木の特産でした。
 そこから生み出されたデザインは、国内のみならず海外においても美術品として高く評価されており、令和4年には約40年にわたり染形紙を収集し、その保存・活用に取り組まれてきた筒井俊雄さん所蔵の約1200点が、三木市有形民俗文化財に指定されました。

インタビュー 筒井俊雄さん「高い技術力と遊び心をあわせ持つ三木の工芸品」

筒井俊雄さん

ギャラリー湯の山みち 館長 筒井俊雄さん

 全国各地で生産された形紙の中でも、三木の染形紙の特徴は、重厚感の表現が可能になった点です。それを可能にしたのは、レイヤー(複層)構造の形紙で、1つの絵柄を表現するために複数の形紙を使って染色を行うことで表現の幅を格段に広げました。
 また、紀州藩の保護のもとで全国的に発展した伊勢型紙とは対照的に、三木の染形紙は、より庶民の目線を反映したものが多く見受けられ、着物の裏地としても広く使われていたことから、当時の人々にとって言葉にせずとも自身の誇りや願い、感情などを伝える手段としても使われていたのではないかと考えます。
 明治維新後、洋服の普及とともに下火になり、大正時代には染色工とともに衰退した染形紙ですが、三木の誇るべき文化として後世に伝えていきたいです。

4枚のレイヤー(複層)構造の形紙と藍染めされた綿布

4枚のレイヤー(複層)構造の形紙と藍染めされた綿布

「かまどに火があれば(ご飯が食べられるのなら)年中踊って暮らそうよ」という思いが込められている染形紙

竈〔かまど〕(左上)春夏秋冬の文字のモチーフが無造作に配置されている。「かまどに火があれば(ご飯が食べられるのなら)年中踊って暮らそうよ」という思いが込められているという。

関連イベント情報

湯の山街道ライトアップ
染形紙のデザインをあしらった手作り灯籠のあたたかな灯りで彩られた冬の「湯の山街道」を楽しめます。
▶日時:令和5年12月2日(土)、3日(日) 午後5時~8時
▶場所:芝町、大塚地内の湯の山街道沿い
お問い合わせ先:都市政策課 都市計画係

みきの染形紙展
職人が繊細に彫った100~200年前の染形紙や染見本などを展示。令和6年2月24日㈯には特別講演会を予定。
▶日時:令和6年1月27日(土)~令和6年3月17日(日)
▶場所:みき歴史資料館 2階企画展示室
お問い合わせ先:みき歴史資料館

 

みきのええトコ第53回「江戸時代に育まれた美術工芸品 みきの染形紙」を掲載した広報みき12月号(2023年)はこちら

このページに関するお問い合わせ先

みき歴史資料館
Tel 0794-82-5060

 

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