毎年5月5日、三木城主であった別所長治公をしのび、後世に語り継ぐため「別所公春まつり」を開催しています。メインとなる歌碑祭など、三木の歴史を感じながら、世代を問わず楽しめる行事となっています。
▲三木甲冑クラブ 宮田逸民さん
別所公春まつりは、三木市制が施行してから4年目となる1957(昭和32)年に初めて開催され、そこから長年続く伝統行事です。中でも、甲冑に身を包んで三木城跡周辺を練り歩く武者行列は迫力満点です。地元の城主をしのんで武者行列を行っている地域は県内でも珍しく、貴重な体験ができるということで世代や国籍などを問わず、毎年多くの方に参加していただいています。
その他にも、「子どもの日」に開催しているということで、こども縁日やクイズスタンプラリーなど、子どもたちが楽しめる内容も充実しています。私が子どもの頃に武者行列などに参加して地域の歴史に興味を持ったように、この行事に参加した子どもたちが自分たちの住んでいるまちの素晴らしい歴史を知ってもらうきっかけになれば嬉しいです。
▲1981(昭和56)年に行われた別所長治公四百年祭での懐古行列(当時の武者行列)の様子
播磨・三木城の若き城主。
織田信長の命を受け中国毛利攻めの軍を進めてきた羽柴(のちの豊臣)秀吉を大将とする織田軍と1年10カ月にわたり激しく戦いました。「三木の干し殺し」と呼ばれる兵糧攻めに耐えましたが、兵も民も飢えに苦しむ中、長治は苦悩の末、開城を決意。自らが命を絶つことで人々を救おうと辞世の句を残し、一族と共に自決して開城しました。
この長治公の遺志は、羽柴秀吉に感銘を与え、城兵と領民は許されると同時に、地子(じし)免除(屋敷地にかかる税金の免除)などの善政が行われ、めざましく復興し、その後三木市発展の大きな礎となりました。
別所公春まつり実行委員会事務局
〔市民協働課内〕
Tel:0794-82-2000
みきのええトコ第70回「歴史と文化に触れる伝統行事 別所公春まつり」を掲載した広報みき5月号(2025年)はこちら