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鉄鐙(市指定文化財)

印刷 文字を大きくして印刷 更新日:2019年2月1日更新
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鉄鐙(てつあぶみ)

指定区分 市指定文化財
種  別 工芸品
指定年月日 平成22年11月17日
年  代 中世末期
所有者 雲龍寺 
所在地 上の丸町9-4
概  要  

 本鐙は、鉄を主体とし、明治30年(1897)に三木城本丸にある“かんかん井戸”から出土したものと伝わっている。                    

 薄い鉄板を巧みに打ち出して鐙の形を整えているが、かなり使い込んだらしく、踏込みの底にできた穴を、鉄の小片をあてて補強している。全体に発錆が著しく、片方の鐙は正面から打撃を受けたと見られる。鳩胸の上端から伸びる紋板には別所氏の家紋である九曜巴紋(くようともえもん)を透かす。                

 さらに鳩胸の中央の三巴の回りに、三巴を八つ配した、九曜巴が描かれている。これらは、鉄を彫りくぼめて描かれており、象嵌(ぞうがん)の跡と見られる。また踏み込みの縁の外側にも、直径18mmほどの巴が、ほぼ等間隔に並んでいる。その数は20個以上と思われる。中世の鐙には、ここに銅などの鋲を等間隔に並べたものがあり、共通性が感じられる。  

 中世の鐙は外側に黒漆を塗ることが一般的であるが、末期から象嵌も行われ、江戸時代にはこれが普及している。本品は象嵌を施した鐙の古いタイプと見られ、三木城主別所氏のゆかりの品としても貴重である。

雲龍寺 鉄鐙