鞴まつりは、三木に多数居住する鍛冶職人や金物卸商など金物業者による信仰に起源をもち、現在は三木市上の丸町にある金物神社で行われている。
遅くとも明治時代には始まったとみられ、 『兵庫県美嚢郡誌』(1926年)には、三木町の年中行事で、町内だけではなく、近隣の鍛冶職も12 月8 日を休業し、上の丸稲荷神社のほか近隣の稲荷社や稲荷のお塚へ参拝し、みかんや赤飯等を供え、「鍛冶屋の正月」と言われたとある。昭和10 年(1935)に金物神社が創建され、従来個々に行っていた神事が、金物神社での神事に集約された。
現在の鞴まつりは、三木金物神社奉賛会が主体となり、12月の第1日曜日に実施されている。金物神社で行われる神事のあと、古式装束をまとった4名の工匠が、鞴で火を起こして鋼を鍛錬する火入式を行う。さらにその火を護摩壇に移して、市民から寄せられた刃物を神職が供養する刃物供養祭を行う三部で構成される。
鞴まつりは、三木の鍛冶職人の信仰にかかる年中行事として長く継承されており、県内で注目される存在である。
火入式(2021年)
刃物供養祭(2017年)
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